音楽家がカツラをかぶる理由とは?歴史とファッションの関係

原田盛

2023年09月29日 13:18





音楽室に飾られているバッハやモーツァルトの肖像画を見たことはありませんか?
彼らの白くて巻き毛の髪型は、とても印象的ですよね。
しかし、あれは実はカツラなんです。
なぜ、音楽家たちはカツラをかぶっていたのでしょうか?
その理由を探ってみましょう。

カツラは貴族の正装だった

カツラが流行したのは、16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパです。当時、音楽は貴族や王族が楽しむものでした。
音楽家たちは宮廷や教会で演奏するために、貴族の服装や髪型に合わせる必要がありました。
しかし、当時の貴族たちは、短髪や丸刈りが一般的でした。これは、衛生面や宗教的な理由からです。
髪を洗う習慣がなく、シラミやノミなどの感染症が広まっていました。
また、キリスト教では髪を切ることが謙虚さや清潔さの象徴とされていました。

そこで、貴族たちはカツラをかぶってオシャレを楽しみました。
カツラは色々な形や色がありましたが、特に巻き毛のものが人気でした。
巻き毛は権威や知性を表すと考えられていました。また、白いカツラは高貴さや清らかさを示すとされていました。
白いカツラは小麦粉やじゃがいものでんぷんで染められていました。

カツラは音楽家の個性を表した

カツラは貴族の正装だったということはわかりましたが、音楽家たちはどうして自分たちの地毛ではなく、カツラを選んだのでしょうか?
それは、音楽家たちの個性や志向を表すためだったと考えられます。

例えば、バッハは敬虔なプロテスタントでした。彼は自分の作品に「イエスに栄光あれ」という言葉を書き入れるほどでした。
彼はカツラをかぶることで、自分の信仰心や堅実さを示していたのかもしれません。
また、バッハは音楽家としてだけでなく、教師やオルガニストとしても活躍していました。
彼はカツラをかぶることで、自分の職業的な地位や尊敬を得ることができたのかもしれません。

一方、モーツァルトは自由奔放な天才でした。彼は幼少期から王侯貴族に招かれて演奏旅行をしていました。
彼はカツラをかぶることで、自分の才能や華やかさをアピールしていたのかもしれません。
また、モーツァルトは宮廷のお抱え作曲家ではなく、フリーランスとして活動していました。
彼はカツラをかぶることで、自分の独立性や自信を表現していたのかもしれません。

カツラは音楽の歴史を彩った

カツラは音楽家たちの正装であり、個性であり、時代の流行でした。
カツラは音楽家たちの音楽とともに、音楽の歴史を彩ってきました。
今ではカツラは珍しいものになりましたが、カツラをかぶった音楽家たちの肖像画は、今でも私たちに彼らの魅力や人生を伝えてくれます。

また、最近ではオンラインでカツラを購入できる時代になっているので非常に便利です。

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